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翻訳のセンス

前回の記事で翻訳の「能力と才能」について触れたので、今回は「翻訳のセンス」について書いてみようと思います。前回、「翻訳者になりたい」と真剣に考えた時点で「能力と才能」についてはある程度クリアしていると考えると書いたのですが、それでもやはり個人の「翻訳センス」の差というのは歴然としてある、と実感したのはトライアルの採点をしていた時です。

とある男性の受験者の方なのですが、私が採点を担当してからすでに5回くらいは落ちている方がいらっしゃいました。毎回チャレンジする意欲は素晴らしいと思うのですが、彼の答案には決定的な欠点がありました。それは論理的な思考の欠如です。語彙もよく知っていらっしゃる、難しい構文も使おうとして努力されている。それなのに、文章を正しく読み取り再構成する論理的思考が足りないため、出来上がった訳文が意味不明となるのです。

彼のような方は、マニュアルといった比較的単純な文章なら問題なく翻訳できる方かもしれません。けれど、複雑な論文や、技術関係の記事になると、中にはA4サイズ原稿の3分の1ほどを占める長文を訳さなければならない場合があります。そして原文そのものがそれほどうまくない(論理的ではない)場合もよくあります。そういった不完全な原文を訳す場合、訳す前にその文章を完全に理解し、再構築する構成力がなければ、直訳してもただ単語を羅列しただけの非常にわかりづらい訳にしかならないのです。

この再構成がしっかりできる方を、私は翻訳のセンスのある方だと感じます。そして、この力があるかないかがプロとして通用するかしないかの大きな分かれ目だと感じます。英語は勉強すれば上達します。ケアレスミスも注意すれば減ります。しかし、この論理的思考は、努力したからといって正比例で伸びていくといった種類の能力ではないように思います。結局は、英訳の場合でも大切なのは日本語の読解力だと思います。大げさかもしれませんが、訳文にはその人の性格ばかりでなく、その人が今までどういった本を読み、どういった経験をして、どういった人生観を持って生きてきたかまで反映されるような気さえします。

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コメント

No title

おぉ、耳が痛い話題です。

日本語力、何を勉強するにしても基礎となる必須な能力ですね。

実は、娘の国語力が非常に弱く、最近は担任の先生に相談している状態なの。
本は好きだし、作文も苦手ではないのだけど、問題を解かせると、観点がずれていることが多々あって・・・。
先生には「すぐに力がつくものではないから、長い目で考えて、まずは新書を多く読むようにしたらどうですか?」と提案してもらいました。

私も中学生の時は本当に国語が苦手でした。今もあまり本も読まないのだけど、せめて新聞はもっと目を通そうと思いました。

lanaちゃんへ


娘さん、本好きで作文も苦手ではないのなら、それほど心配しなくていいと思うよ。
読解問題は一般的にどう解釈できるかを問うもので、個人の感性がそれから外れることはあるし、個人的にはそれでもいいんじゃないかと思います。ただ学生時代はそれで試験の点数が左右されたらそれはそれで心配だよね。気持ちはわかります。

うちの子は本当に国語が苦手。作文もめちゃくちゃです。私は国語は勉強しなくともできたタイプなので、どうしてわが子がそうなってしまったのか・・・。生まれ持ったものってあるなあ・・・と息子を見ていて実感します。なんかもうどうしようもない・・・。
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プロフィール

Aromaderose

Author:Aromaderose
英会話講師、企業内翻訳者・通訳者を経て、2001年フリーランスにて翻訳業(英語)を開始。主な分野は、機械、品質管理です。10歳の一人息子がいます。仕事に追われる毎日ですが、子育て、家事、趣味、健康管理など、バランスの取れた生活を送ることを目標にしています。
twitter始めました。pontarose1

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